ZX-14R 立ちゴケ① 倒れた編

前回の記事で遂にバイクを倒してしまったということを書きましたが、その詳細を書いていきます。正しくは立ちゴケではなく坂道Uターンでコケたのですが、まぁ同じようなものでしょう。
DSC_0161立ちゴケ
右側にガリ傷多数

~前説~
自分はそもそも「立ちゴケなどバイクに乗ってからただの一度もござらん!」というニンゲンであり、ZX-14Rに関しても足つきは余裕の両足べったり、自分のパワーも成人男性の平均はあると思っているため、まぁ何かあっても踏ん張れるだろうから立ちゴケは「絶対しない」と思い込んでいました。また、サーキットでレースをするわけでも、公道で限界に挑むわけでもない安全運転厨のため、「ZX-14Rは重いけど普通に乗ればコケることはない」と妙な自身があったのです。

しかしやらかしました。

言い訳をすると、色々と悪条件が重なったのです。
①山道でガソリンランプ点灯
②ナビ(GoogleMap)の電波も入らず位置が不明
③もしこのまま目的地に着いてもスタンドがあるか不明
④山道に入る前にガソリンスタンドっぽいのがあったような気がする
⑤あぁUターンするしかない

そもそも山道手前のガソリンスタンドに入っていれば……というだけなのですが、その外見が超ローカルな感じの店で、通りがかったときは「ちょっとスタンドかどうかわからないですねぇ」と思いスルーしてしまったのです。

そして焦燥感に駆られた私は普段なら絶対にやらないであろう坂道Uターンを決行。車も全然走ってないし、適当な直線を見つけてゆっくり上り側から下り側へ切り返して……いけるねッ!と思った途端にバランスを崩す車体。思わず「おっおっお(^ω^)」という声が漏れます。「この程度なら片足で支えてやらあ」と右足を出したのですが、右側は下り坂なので地面が遠くて踏ん張れず、車体にされるがまま「おっおっおっおー(^ω^)」と、道の真ん中でゴロンと転倒。お手本のような坂道Uターンの倒れ方。

コケてしまいましたが、実は内心「ZX-14Rを引き起こすのはどれくらい大変なのか?」ということに前々から興味があったため、「遂に俺様の力を解放するときが来たようだ……」と中二病全開で早速引き起こしにかかりました。こういう状況では興奮のためアドレナリンが大量に分泌され、普段とは桁違いのパワーが出ると聞きます。火事場の馬鹿力というヤツです。

「フン!」と、本当にフンが出ないように注意しつつ、全身を使って下り側から車体をすくうように持ち上げます。かなりキツイですが車体は持ち上がり垂直になりました。「…解放した俺様の力を甘く見るでないぞ…フハハ」なんてセリフもアタマに浮かびましたが、自分は下り側なのでバイクの重量を支えないといけない苦しい状況。ちなみにZX-14R(ABS)の乾燥重量は268kg、体全体がきしむ気がします。とりあえずサイドスタンドを出したい……
ここで左肩に激痛、というか急に感覚がなくなってしまい「おっおっおー(^ω^)」という声と共に268kgに圧され、ズルズルとあえなくもう一度倒してしまいました。再度地面に接触してガリガリと鳴るカウル。
「これは左肩の腱イカレた?外れた?ってかもう起こせる気がしない…」とギブアップ、その後しばらくして親切な通りがかりの車の人に助けてもらいました。このご恩は忘れません。俺様の中二病も意気消沈。

一部始終を振り返るとこんな感じです。倒れるときには走馬灯のように景色がスローモーションになったのですが、そのとき見えたギヤメーターの数字は「4」でした。トルクフルなZX-14Rのエンジンに甘え、完全に坂道Uターンというか、運転自体をナメてました。

坂道Uターンの危険性を身を以って知った感想としては「運転している時に感じる坂の傾斜よりも実際はキツイ」ということです。倒れて肉体が放り出されたときにはコロコロ転がるレベルで、「なんでこんなところでUターンしたんだよ、俺のバカ!」と自責の念に駆られました。

助けてもらった後、灯火類、ブレーキチェック、破損部分があるかを確認してから山を降りガソリンスタンドっぽいとことに行き、やはりガソリンスタンドだったのでガソリンを補給し、体の具合も運転はできそうだったので目的地まで再出発した、という感じです。

しかし引き起こしにおける体の負担は相当なもので、全身が2、3日バキバキの筋肉痛になりました。普段の運動不足もありますが急に268kgをどうこうするというのは結構キツイものです。

個人的に非常に残念な点は、倒れたときの動画や写真がないことです。GoProはUターン前に録画を切ってるし、写真に関しては道路の真ん中で倒れてしまったため、流石に撮ってる余裕はなかったのです。納車時から「倒れたときには記念撮影をしよう」と思っていたため、残念でなりません。

という感じで遂にコケました。人生初です。大人の階段のぼりました。まぁやってしまったものは仕方ない。もうやらないようにするしかない。しかしキズだらけのまま乗るのはよろしくない。

というわけで、リペア編に続きます。
目標は「パッと見はわからないレベル」にすることです。

~つづく~